
ネガティブをこじらせている私の心に響きまくった本を紹介します。
芸人が書いた本だからと侮るなかれ。若林さんの本は共感の嵐で…泣いちゃいました。
生き辛さに寄り添って、克服するヒントをくれる一冊です。

社会人大学人見知り学部 卒業見込とは
若林さんは
- 社会人大学人見知り学部 卒業見込
- ナナメの夕暮れ
- 表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬
と3冊のエッセイ本を出しています。
今回はその中の1冊目、(完全版)社会人大学人見知り学部 卒業見込の感想を語らせていただきます。
「ダ・ヴィンチ」(メディアファクトリー)2010年8月号〜2014年12月号に掲載された連載です。
(オードリーがM-1グランプリで準優勝したのは2008年です。)
ものすごく刺さる
いまだにネガティブをこじらせている私の心に響きまくります。
若林さんも自身のことを考え過ぎてネガティブだと言っており、若林さんの「考え過ぎていること」にすごく共感できて、勝手に「こんな私を許してくれる味方」のような気持ちで読んでいます。
文章は、力が抜けていておもしろいのですが、油断していると、ハッとさせられます。
読んで、味わいをかみしめて、また読んで…1年経ったらまた読み返したくなります。
若林さんがいろいろな仕事の経験を通して、良い人間関係も手に入れ、処世術も身につけて、生きるのが楽になっていく過程を知ることができます。
ぼくらのような人間はネガティブで考え過ぎな性格のまま楽しく生きられるようにならなきゃいけないんですよ。前にも書いたけど性格は形状記憶合金のようなもの。
なかなか変えられない。だから、変えるんじゃなくてコントロールできるようになればいい。一人でいる暇な時に限ってネガティブの穴にハマることが多い。
(中略)
そんな時は自分と思考を繋ぐクラッチを外して趣味や家事に没頭してみたり。それを何千回と繰り返すうちに癖になって、なんとなくネガティブといい付き合いができるようになる。ぼくは自分を変えるなんてめんどくさいこと、だいぶ前に投げ出しちゃいました。
”成功者”なのに”幸せじゃない”?
M-1グランプリで準優勝をして、やりたい仕事をして、収入も増えて、なのに幸せを感じているわけじゃないということに驚きました。
条件なんて関係なく、いつでも幸せな人と幸せじゃない人がいる。
春日さんは売れない時代も、今年で消えると言われている踏ん張り時でも、ずっと幸せで努力をしなかったそうです。
若林さんは、テレビに出てお金をある程度もらえれば幸福になれると信じていたけど、前より生活に困ることはなくなったけど、幸福感はさほど変わらなかったそうです。
私も、好きな仕事をしてある程度もらえれば幸福になれると信じていたけど、違うのか…。
春日はずっと楽しそうで。
若林はずっとつまらなそうだった。
春日さんは自分に自信があって、自己顕示するために自分を大きく見せる必要のないマトモな男だと若林さんは分析しています。
私も、春日さんに憧れます。
マトモになって幸福だと思ってみたい。
人間関係不得意
泣きました。
人間関係が不得意で、放送作家を目指すも、目上の人に嫌われてクビになり、バイトをしながらラジオのコーナーに投稿するのが唯一の楽しみだという、Tさん。
私も人間関係が不得意で、コミュニケーションが原因で仕事がつらかったことがあったので、Tさんに感情移入してしまいました。
(Tさんのような尖った才能も努力も私にはないけど)
若林さんがTさんに良くしてあげていたことに胸を打たれました。
若林さんは、人見知りと言っているけど、売れない時代からちゃんと芸人仲間や、学生時代の友人や、近所のおばさんにかわいがられていて、面倒見もとても良いと思います。
素敵だなぁと思っていたら、最後が…。
でも何がその人にとっての幸せかなんてわからないし、どこまで踏み込んでいいのかもわからないですよね。
黒ひげ危機一発
「穴だらけ」はオードリーが売れない時代に、売れるためにいろんなことを試していた話ですが、グッときました。
黒ひげ危機一発に例えているのですが、樽の穴に剣をたくさん刺して、穴の数を減らすとおっさんが飛ぶ可能性が上がる。
何かをして何も起こらなかった時、飛ぶ可能性は上がっている。
私は腰が重くて、まだできることがあるのにしないで、結果が出ないと嘆いていたな、と反省しました。
ゲーミフィケーションって流行りましたよね。
ゲーム以外のことにもゲームの要素を取り入れたらうまくできる、みたいなことなんですけど。
ゲーミフィケーションを、勉強や目標達成に取り入れたらうまくいくよ、みたいなことをTVでやっていたり、友人が「わかる〜」と言っているのを見ていて、私は違和感を感じていました。
モヤモヤと気持ち悪かったのですが…。
本の「悩みの深みにハマるのは」は若林さんがPS3にハマった話なのですが、
(ゲームは)努力があまりにもスムーズに報われるから心地よいっていうのはあるなぁ。
上記の文章はさらっと書いてあったのですが、
あぁそうか、現実はタイミングや人間関係、その人の資質など、複雑な要素があってスムーズに報われるわけではないから、
そんな簡単にいかないよ!って「ゲーミフィケーションを活用しよう!」に私は納得できなかったんだな…。
黒ひげ危機一発の話のように、いろいろ試してみて可能性を上げる、の方が私にはピンとくるなと思いました。
若様いいこと言うな。
あ、黒ひげ危機一発もゲームだからゲーミフィケーションなのか。。
悩むのは暇なせい?
私は友人に「悩むのは暇なせい」と一刀両断されて、落ち込んだことがあります。
自己啓発本(お恥ずかしながら)でも、悩むのは暇なせい、悩みは妄想、と切り捨ててあって余計落ち込んで、著者は薄っぺらなつまらない人間なんだ!と、はねのけました。
「お前の悩みは大したことない」「お前は今まで無駄な時間を過ごしてきただけだ」とばかにされているように感じたからです。
そんな簡単に考え過ぎは治らない。
考え過ぎは良くないのか?
他の本には、考え過ぎているのではなく他の視点で考えることが足りていない、ということが書いてありました。
私は、こちらの「他の視点で考える」を採用し、考え過ぎ(悩むこと)を肯定していました。
若林さんも昔から考え過ぎだと言われてきて、自身のことをネガティブだと言っており、本の内容も共感しまくりだったので、すっかり味方(?)みたいに思っていたら…
「ネガティブモンスター」で、若林さんも考え過ぎてネガティブになるのは暇な時と言っていました。

こんなに共感・信頼する若様まで!?
考え過ぎてネガティブになるのを防ぐためには、何かに没頭するといいので、没頭できることを書いたノートを作ったそうです。
効果があったそうで。
ネガティブを潰すのはポジティブではない。没頭だ。
私も没頭できることを作ろ。
影響を受けて読んだ本・聴いた歌
- 限りなく透明に近いブルー 村上龍著(ごめんなさい。途中で気持ち悪くなって読めませんでした。私にはまだ早かったようです…)
- 芸人交換日記~イエローハーツの物語~ 鈴木おさむ著(大泣きしました)
- ファイト! 中島みゆき作詞・作曲(改めて聴いて、とても良い曲でした)


心がクサクサしたとき、また読み返したくなります。

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